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発達障害について

今日は発達障害について書きます。この言葉、20年前には知られていませんでした。一人の人のなかで能力に極端な差があり、学習面で問題をかかえた生徒がいることがわかってきたとき、「学習障害」という言葉が生まれ、その後他人とのコミュニケーション能力に難がある子が、「自閉症ではないか」という疑いが持たれ始めます。しかしそれまでの自閉症児は知的にも障害があり(コミュニケーションが保てない以上、測定ができないので知的に低いという結果がでますが、能力的に低いかどうかはわからないということが本当のところです。)その自閉傾向がやや弱く、集団の中で動けるかどうかの線があいまいな子を示す「アスペルガー症候群」という言葉が生まれてきました。また同じ頃、能力よりも集中力に問題があり、やればできるのに力が発揮できていない子どもたち(いわゆるADHD)も指摘されるようになり、これまでの「知的障害」「精神障害」とは別のグループの「発達障害」という概念ができたのです。発達がバランス良く進まない、発達が障害されているという意味です。

でも医学用語と学校教育の専門用語とがかみ合っていない現実があり、これらの知識の整理がなかなか進みませんでした。ここ数年、法律なども整備されて少しづつ一般にも広まってきました。

発達障害児は知能が全体に低いわけではありませんが、能力によって極端にできることとできないことがあります。そのため、学童期以降、自分の能力についての自己像が描けません。クラスのみんなができないことを自然にやってしまうかと思うと、誰でもできることができなかったりして、教師から「不真面目な態度」と誤解されることもあります。

自閉傾向のある子の場合、極端に他人の視線が理解できず、時には幼稚に見える態度をとってクラスから浮き立ってしまいます。前後の脈略や複雑な関係、ということがわかりにくいタイプの子は、突然怒り出したりして周りが引いてしまうような状況が起きてきます。

集団教育が一般クラスのルールですから、一人だけわがままな行動をとることはクラスではいずらい状況になってきます。私たちスクールカウンセラーが発達心理なり臨床心理なりの専門性から、そういう子の状態を見極めて、どうすればトラブルが減らせるのか、考えて提案したり直接中に入ったりします。たいていは担任や部活顧問の教師と話し合い、効果的な声の掛け方や、配慮の仕方などを考えて工夫してもらうと、トラブルが減り、本人もの周りも穏やかに活動を続けることができるようになります。

あまりにも集団での適応が難しい場合には少人数の教室へ取り出して、そこでの指導になることもあります。小さい頃からいじめられてすっかり恐怖心に囚われた子も多いので、じっくりと専門の先生に関わってもらい、自信をもって教室の活動に参加できるように育ててもらいます。

いずれにしても、この偏った能力の持ち主には、もともと何の非もないのです。けれどことあるごとに「自分勝手」「やる気がない」と烙印を押され、居場所を失っていきます。非行や不登校の背景に多くの発達障害児が隠れていると言えます。偏りが大きいということは苦手なことは幼児並しかできなくても、得意なことには天才的な力をもっているということです。これを伸ばせれば一番良いわけです。知能検査を薦めるのは、この得意な力を発見するためなのです。知能検査は自治体によって種類が違いますが、世界的な標準が整備されているWISCという検査にまとまりつつあります。各教育委員会の教育研究所という部門では、この検査をしてくれる人を置いています。

発達障害だけではもともと通院の対象にはなりません。薬を飲んで治すケースは少ないのです。でも馬鹿にされたりいじめられて攻撃的になってしまう子が多く、または神経症を発症してしまうと医療のお世話にならなければなりません。早めに検査を受けて心理士と相談をして、子どもにとって苦手なことをできるように練習し、得意なことをどんどん伸ばしてあげられれば、それは「個性」として生かすことができます。

ここでもやはり早めの相談をお勧めします。

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