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意外性が笑いを誘う(ユーモアの話1)

発達障害の勉強会で、広汎性発達障害傾向の子どもたちの会話がすべる理由について、考えた際に物事の概念のまとまりをあらわす「ノード」の理解が違うのではないかとか、一般に物事の順序がひとまとまりになる「スクリプト」が間違っている可能性があるとお話しました。

いまどきのバラエティではこれを意図的に起こして笑いをとるような内容があるので、発達障害児を抱える者が見ると自分やわが子が笑われているような悲しみに襲われます。

ところでユーモアについて、ふぁすのアトリエでリクエストが出ていますが、

厳密にはユーモア自体は、やはりこのスクリプトとおおいに関連があります。物事の枠組みをピアジェは「シェマ」と呼びましたが、これはスクリプトやノードと同じく物事の枠組みなり構えなりを示す言葉です。2,3の手順を含むノードとも言えるし、短いスクリプトともいえます。

たとえばマグカップを見ると、持ち手の部分を持ち、飲み物を入れて傾けて飲む・・・というシェマが存在します。乳児は哺乳瓶は傾けても液体がこぼれないが、マグカップは傾けるとこぼれる、ということを体験を通して学ぶのです。次に液体を傾けて飲むことを獲得すると、もし熱いものが入っていると驚きます。次からは熱いかもしれない、というシェマを獲得します。

発達心理ではシェマの獲得と混乱が発達そのものだと説明しています。さて、ユーモアについてですが、通常のシェマが獲得されて初めて、それを崩されると「意外性」が脳の緊張を起し、それが解けた瞬間に人は笑うと言われます。

いないいいないばあ、で赤ちゃんが喜ぶのは消えた顔が現れるから。消えた瞬間に不安になり、現れたとき安心する感情が笑いとなります。これが人が体験する最初のユーモアなのかもしれません。

小学校高学年の子どもと接するとき、彼らには一般的な教師のスクリプトやシェマが完成していると言っていいでしょう。だから退屈なのです。彼らが考える「先生(や親)が言いそうなこと」をいかにはずすか、ということがこの年代の子どもたちとの対話に必要なわけがお分かりいただけるでしょう。この年頃の子どもたち同志で楽しみそうな、でも大人に叱られそうな・・・そんなネタを使えば子どもはぷっと笑います。

先回のチアーズでであった男の子たちもそうでした。「何かいていいかわかりません。」「何でもいいですよ。見たこと聞いたこと、一番覚えていることを書いてください。ただしエッチなことはだめです。」「かくわけないじゃんか!」と噴出しています。彼らは公の場でエッチな発言をしてはいけない、という立派なシェマを獲得しているので、わざわざそれに触れられて意外だったのです。「じゃ、こんなのは?」とおかしな髪型の人を入れて挑戦してくるので堂々と「自分でいいと思ったらいいやんか。」とそこは無反応。「ただし裏に自分の名を入れてな。自分の行動に責任持ってね。」彼は一旦消しましたが私が本当にその絵を批判していないと知ると書き直してそのまま提出しました。もちろん私はそれを採用し、壁新聞に貼り付けました。面白おかしな絵を描く、それこそがこの年頃のこどもらしさのあふれた壁新聞なのですから。

このように年頃相応のシェマを把握するにはそれなりにコツがありますが、要はおとなである自分がふざけたときの感覚でよいわけです。大人がふざけることができなければ、当然子どもたちにユーモアを論じることはできません。

以前にコメントにちょっと書きましたが、竹やぶに竹を切りに行ったバルタン先生がうちの子に「竹を切るとき、何に気をつけたか知ってる?」と聞かれて「手を切らないように?」と答えたら「かぐや姫の首を切らないようにだよ。」と言われておおうけしていましたが、まさかアウトドアの先生がそんなこと言うなんて!という意外性がユーモアだったわけです。

子どものシェマをひっくり返すと子どもは惹きつけられて熱心に話を聞くようになります。次に何を言うのか今までの枠組みでは理解できないわけですから好奇心をそそられるのです。好奇心を刺激する会話を大人も学ばなければなりません。

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