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知能検査の活用法

知能についてお話しましたが、いろいろな切り口があるということです。知能検査を受けると言語的知能のなかでも、例えば「聴覚的短期記憶」といって耳で聞いて覚える力や、「論理」筋道を立てて考える力など、細かい力を6項目あまり数値にします。緊張していたら?とか年が小さいからわからないのでは?というばらつきのことも、きちんと計算されています。だから信頼性があるのです。でも1時間半程度の時間で10あまりの能力を次々と測定していくのですから、やはり全ての力が出せるということもないでしょう。

日常生活の中での保護者や教師の観察から得られる情報はとても大きなヒントになります。「家庭ではほとんど気にならないのです。」と困惑される保護者も多いです。それは家族の方が無意識に子どもの特徴に応じて態度や言葉の使い方を心得ているからです。それで集団の中での行動をヒントにします。集団の中で困ることを、家庭で導いてあげられると、短期間で効果が出てきます。

上にあげたような「聴覚的短期記憶」の弱い子は、集団でのアナウンスを聞き漏らしたりしていることが多いので、人が話し始めたらそちらに注目する習慣をつける、とか、家庭で指示を出したことを復唱させるというような、ちょっとしたことの積み重ねでいいのです。それも立派なソーシャルスキルトレーニング。だから家庭に発達障害傾向の子がいる人は、集団でも指示の出し方が上手なんですね。教師の中にもそれがはっきり現れる人がいて、「子どもに話を聞かせるのがうまいなあ」と関心する、本当のプロの先生に出会うと嬉しくなります。

その人が自分の子育てで身につけたものか、それとも職業意識で身につけたものかは、わざわざ話をしないのでわかりませんが、一番聞き漏らしやすい子にわかる授業は、クラス全員にわかりやすいので、最近は「気になる子」として校内で話し合い、その子にポイントを置いて授業を進めるような方法もできてきました。

知能検査の活用は、単純に人のIQを調べて「天才」「凡才」のラベルを貼るためのものではないことがわかっていただけたでしょうか。今の私はテストをしなくても、じっくり関わるとある程度の結果を見立てることができます。

極端に言葉数の少ないお子さんを心配して来室された方の例では、保護者はまったく気づいていなかったけれど、私は「理解」の知能に偏りがあるのではと見立て検査を受けてもらったところ、それがはっきりしました。保護者も教員も、その子がわかったかどうかを確かめるよう声をかけることができ、その子自身にとって、とても過ごしやすくなりました。そしてその子が得意な点(例えば工芸・美術など言語を使わない作業)を伸ばし、将来の職への希望を得ました。

気がかりのある方は相談に足を運び、少しでも早く問題解決に向かわれることをお祈りしています。

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