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家庭と学校の潤滑油

昨日は、小学校で午前中相談を二つほど受けて、午後からは自分の娘の中学校の参観と保護者会に出席しました。

相談の仕事を始めたのは、末の子が就園した年だったので、上の子は小学生。はじめて職員室に職員として出入りするようになった日は、どうにも入り口で緊張して「失礼します」と頭を下げないと入れない違和感がありました。かといって、おばさん感覚で相談室で教師の悪口を言うような相談員は許せません。あくまで心理職として、しかし教員ではない、というところに価値があると信じています。

見えにくい障害としての発達障害の関係の相談は多いので、もう少し考えてみましょう。今日はSCの役割についてお話します。

保護者がどんな思いで相談に来るのかということを、教師に伝えることも、子どもの知能検査のアセスメントと同じくらい大事に受け止めて初めて、正確な仕事ができると思っています。一方で保護者には、教師の胸のうちを間接的に伝えたり、ご苦労ぶりを紹介したりします。

親は自分の子しか見えていないけれど、教師はなんといっても一度に何十人の生徒を見て、ベテランの教師ならば何千人と同年代の子どもを知っているプロだから、教師の感じる疑問や問題点は、やはり耳を傾ける価値があるということを伝えます。

集団のなかで違和感があるかないかが、発達障害の目安になることはよく知られていますが、教師の勘からいち早く発見できるようになってきました。教師は勉強熱心ですから、特徴については皆さんもうご存知で、家庭の躾のせいにされることはとても減りましたね。

問題は、どの程度の偏りなのか、どこから特別に支えるのか、何をどんなタイミングで働きかけたらよいのか、ということですし、これは教師は知りません。じゃあ、親がアドバイスするかというと、集団の中での行動は家庭内とはまったく違います。そこで、私の出番なわけです。知能検査を元に、耳で聞く力が弱いのか、物の形を捉えることが苦手なのか、目で見て覚える力が弱いのか・・・という分析をして、そこを育てるための、できるだけ具体的な働きかけを家庭と学校の両方でできるよう、保護者と教師に同じアドバイスをします。

またこの子たちの不安な気持ちを支えるため、知能検査から得意な能力を分析して、そこを集団の中や家庭で生かして「有能感」や「自信」を育てます。どんな子にも必ず得意なことがあるので、それを引き出してクラスや兄弟の手本として引き立ててあげるのです。

動作が遅くても根気のある子ならば、じっくりと取り組んでいる姿を先生がクラスの子に「ほら、○○ちゃんの丁寧な仕事を見習おう」と言ってもらえば、OKです。教師は具体的なポイントを示せばすぐに実行してくれます。教師もクラスがまとまれば活動がしやすくなるからです。

学校生活と家庭生活を調整していく。苦手を克服し、得意を引き伸ばす。今のところ、発達障害に特効薬はなく、こうした関わりによって知能の偏りを整えていくしか方法がありません。字は下手だけど図鑑などをよく覚えていた息子に、「物知り博士」と読んで周囲の敬意を集めてくれた、10年あまり昔の(発達障害という概念が行き渡っていない時代の)うちの子どもを支えてくれた教師陣がいたように、特別扱いしなくても、伸ばしていくチャンスは十分にあるうえに、現在はきめ細かな体制ができてきました。

ゆとりの見直しによって、学力重視の時代がまたやってきます。どうしても手のかかる子がお荷物になってしまう懸念がまた出てきました。

学校だけで支えられない部分を、家族が勉強して家庭でも支えていってあげなければなりません。「うちの子なんとかしてください」と頼める場所はないようです。一緒に頑張って育てあいましょう。

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