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大事にされることでしか

学校支援チームSMAPが発足して一年になる。昨年度立ち上げて夏休み中に研修を積み、9月の新学期にオープンして以来、月水金の3日を支援員が待ちうけて、中学校内での擬似母子愛着形成支援による情緒性の安定に努めてきた。

詳しく生育暦を分析して、個別の支援計画を作成して、支援員は熟読して関わった。多人数対多人数というグループアプローチであった。ローテーションにより、個対個の負担を軽減する分、情報を蜜にすることで連続性を維持した点が工夫したこと。

お陰で生徒達は「なっきーの分身」と紹介された支援スタッフ6名を一貫した人格とみなして、甘えを示し、なついてくれた。

当初甘やかしとの批判も多かったが、一年を経て、生徒一人ひとりの人格形成に影響を与えて安定してきた様子が職員間でも確認された。

甘えと甘やかしの違いをこのブログでも論じてきたが、決定的な行動の変容は、夏休みのような長期休暇中にこそ現れる。

8月5日の夏休み折りかえし地点で学校を訪れ、生徒の情報を収集したところによると、21名の対象生徒の半分が非行傾向の生徒であったが、そのうちの一人も補導や指導の対象となっていないことがわかった。連絡が取れた生徒は仲間の消息を知っていて皆それなりに元気に過ごしていると伝えたという。

暴走族や窃盗団の片棒を担いでいたかというような生徒や、暴力沙汰で警察にお世話になっていたような生徒たちの話なのだ。彼らは一学期の終わりにはカラオケに行ったり、まあ普通の中学生の生活を楽しんでいた。態度は横柄で言葉は悪いなりに、自分を損なうようなことはしなくなっていた。

夏休み、支援室も休んでいて関わる機会はないが、彼らが自分と仲間を大事に思って、やけっぱちな行動や無意味なけんかに巻き込まれることを避けているとわかる。それはまぎれもなく、「自尊心」の現れだ。

自尊心は大事にされることでしか育たない。誰にも・・・生みの親にさえも大事にされない子どもは生きていることに意味を見出せず、自分を追い込む行動をとる。誰か一人でも気にかけ、大事にしてくれたら、思いとどまることができるのだ。

一学期末の教員アンケートには、まだ「一部の教員を当たり前のように使っている生徒の様子が許せない。社会に出たらそんな甘えは許されない」と批判する意見もあった。教員や支援員に甘えてそのまま誰にでも甘えるようなものだと本気で思っているのだろうか。甘えをしっかりさせることで自尊心と自立心を育て、卒業後はしっかりと自分を保つことができるようになっている。

家で家族に甘えて学校で甘ったれているような生徒指導対象者は支援室にはいない。

「学校に来るとほっとする。」「学校っていいなあ。」・・・14や15で厳しすぎる環境に身を置いて安息の場である家庭がない子供たちが、ふともらす言葉に、支援員は胸をえぐられる。抱きしめてあげることができずに、ちらけたゴミを片付けたり、笑顔で声を掛けたりをただ繰り返すしかなかったが、いつしか自分でゴミを拾い、食事や朝夕のあいさつを交わすようになり、眼が合うと笑顔が出るようになった。

進学率は低いから、中学のときしかない。甘えられるのは。彼らもそれを知っている。今だけでもしっかり甘えておきなさい。「そこは叱るところでしょ」と生徒に突っ込まれても笑っている支援員。いつしか、そんな支援員を困らせないよう、態度が変化した。

もちろん、叱ることもあることは補足しておこう。その時も真剣に叱る。眼を見て「君のために心配して言っている。」と伝える。その時ふくれて返事をしなくても、彼らはちゃんと聞いている。体面や大人の都合で指導しようものなら、たちまち見抜いて大荒れになる子どもたち。「そんなことしたら、自分がどうなるか、考えなさい。」スプレー缶のガスをビニールで集めて吸ったりしたら、私は本気で叱った。「渡しなさい!」手を出すとおとなしく缶を渡した。

もう一度確認しよう。

自尊心は、大切にされた、と本人が実感することでしか、育たないのだ。

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