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支援室支援

特別な支援が必要な生徒のための、支援室を開設して、一年以上が経ちました。この支援室は、いわゆる特別支援学級とは異なり、勤務している学校独自のものです。特別支援学級ですと、教育委員会が審査する就学支援委員会で学籍の移籍が定められる文科省の制度にのっとった、正式な教育システムですが、勤務校の支援室は、不登校対策の「別室登校」の拡大版。基本的に担任は自分のクラスの先生であり、どうしても教室に入れない子が小集団で過ごす部屋です。

全国的に別室登校のシステムができてきて、教室へ通うステップにしているようですが、簡単には不登校はなくなりません。この部屋に通っていても年間30日の欠席日数は越えてしまうことが多いです。それでも中には、年度半分すぎて欠席3日とか、あきらかに不登校に陥っていない子もいます。これらの子はこの支援室がなければ不登校どころか、家に引きこもってしまうほか、なかった生徒であると考えると、やはり学校生活を送れていると、考えてよいと思うのです。

その部屋に来れば、制服を着た学校の仲間がいて、先生が来て、学科を教えてくれます。テストも受けることができます。希望すれば授業に参加できるし、体育祭や文化祭にも参加することができるのです。

そんなんなら教室へ行けばいいのに・・・。残念ながら、そう簡単ではありません。そんなわがままが通るなら、みんな教室に行かないんじゃないの?それも素人の考え方。

専門家がじっくり面接をして、教室にいくべき生徒か、この支援室を使わなければ不登校になってしまう生徒かを見極めて、校内の会議で検討し、保護者と本人の希望を確認して、通室が決定され、更に、その生徒の課題(教室でみんなと一緒にできない理由)を明確にして、どうすればよりよい学校生活が送れるか、細かい目標を定めた「個別の支援計画書」を作成して、それを元に支援室通級が始まるのです。

つまり単純にさぼっている生徒が支援室通級になることはないのが、学校のシステムとして作られているポイントなのです。当然それを決める会議が必要で、模索しながらも学校管理職、心理職、担任や学年代表、さらに養護や国際など生徒の課題をよく理解している先生方に聞き取りをしたり、会議に参加してもらったりしながら、慎重に進めていきます。最終的に決める会議が「生徒支援推進会議」と呼ばれています。

週末にはなんと夕方の6時前から会議をしました。だって生徒や保護者の対応をしている先生たちが真剣に取り組める会議にするには、この時間しかありません。手探りで始めたので、課題や行き違いも多々あり、それも話し合いながらなので、ゆうに2時間になりました。まだまだ発展途上で、失敗もあるのですが、それでも一人ひとりと行動が変化し、表情が明るくなっていくことを、日ごろ関わる先生だからこそ、理解いただいている様子。

ただどこでもできるとは限らない理由が、やっぱり支援員の存在だと言われます。

部屋があっても熱意ある教員だけでも、なぜ成功しないか?

それは、支援室が必要な子にとって必要なのが、HOMEだから。HOMEに必需なのは、MAMAだから。というとわかるでしょうか。支援員はつかのまのママ。だから先生に叱られても耐えられる。ママに手伝ってもらって学校生活を続けられる。たまに器用な先生が、教師と親の両方をしてくれるけど、それはその先生が特別な人なので、誰でもできるわけではないから、ちょっとおばちゃんが力を貸す。寂しくないよう側にいると勇気がでる。それで行動がかわり、言葉も落ち着いてくる・・らしいです。

「ちょっと、おばさん!」と呼んでいたやんちゃな女の子が、最近は「ねえ、カウンセリングの人!」と呼んでくれます。これって彼女には敬語なんだろうなあ。

一年前には暴言吐いて相談室の窓から脱走していた子が、入室しようとして相談中だったら「あ、すいません!」と言うように。もちろんもう窓から出入りなんかしません。

どんな生徒も行動が変化してきます。それをしっかりと見てさえいれば。それには、まずどんな生徒にもこちらが元気に笑顔で「おはよう!」とあいさつをすること。関わりがそこから始まるからです。

生徒支援推進会議は管理職を含む校内会議。私はさらに、地域やPTAの代表で集まる「学校運営会議」にも入れてもらって、中だけでなく、外からも支えてもらう努力をしています。そしてさらに大事なのは、一番ミニマムな支援スタッフの情報共有。

一人ひとりに何度でも丁寧に話を伝えて同じイメージを持ってもらう作業はなかなか時間も掛かりますが、決して後戻りしない、やりがいのある仕事です。日々生徒と直接関わることに興味を感じて楽しんで動いてくれる支援員とのやりとりが、不安定な子供たちには癒しとなるらしいです。

魚屋に職業体験に行く支援室生徒が、「お刺身作って支援員さんに差し入れしたい。恩返しがしたい」と言ってくれてるようです。嬉しいね。

私たち支援スタッフは、もうすでに毎日たくさんの感動や幸せを教えてもらっていると、彼らは気づいていないようですが。

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